はるまで、くるる。

                            /¨` ̄二丶_
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                         /      イ ̄ `ー'    ',
                   /    _ ,.ィ,-`ー-、丿  'J }       これは……やられたなぁ……!
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                 _/       /  }  ``        ィ
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               ト    /  |   У  /                 ノ      .∧


 はるまで、くるる。
 (すみっこソフト OFFICIAL WEB SITE


 







 はい、凄まじく今更ですが今更ながらにクリアいたしました。
 感想としては、やられたなぁと。最後はハッピーエンドだろうとは思ってましたし、厳しい現実に立ち向かう私たちの戦いはこれからだエンドであろうと思っており、結局それで間違ってなかった訳ですがそれ以上に救われているエンドでしたね。
 正しいのか間違ってるのか判別し難い知識でできる限りそれっぽさを出そうとしていましたが、一番最後は完全にもう製作者の慈悲でしょう。それにやられた。本当に優しい物語なんですよこれは。



 とにかく、プレイ後に最後までやってよかったと思わせてくれる、そんな良い作品でした。






























               ,、‐, 、         よし、んではいつも通り難癖つけようか。
             .{゚ω゚}
              ト イ_    n
           ィ≦ヽ '/ \_(E)
         /   .y/ i   {/
        〈  マ //  ハ __.U
         Y{ξ≦__」
          ー' r ――{
            iヽ.  ゝ、
            !  ',   \
            ,リ ハ    〉
           /_/ 'ー 7´/
          r' _,〈    (_,ヶ
          ` ┸'      ̄´


 ぶっちゃけ、この作品プレイしようと思ったきっかけはどっかのサイトの感想で「CROSS†CHANNELへのアンサーストーリー」とかなんとか書いてあったのを見たからなのですね。
 最初はそういう目で読み進めていましたから、「違和感の消し方」のお粗末さに辟易していたんですよ。


 たとえばこの画像を見てどう思いますか?


                                     
 





 私はテイルズのアレやら、9尾ブランドの水増しエンドやら色々思ってました。


 画像だけでなく、一切合切登場しないサブキャラクターや、思い切りの良すぎる舞台設定など隠す気があるのか無いのかよくわからない一週目の違和感に対し、「なんだこれ、いいのかこれで」と思わされ続けてました。乱交だのハーレムだのは最初から問題視していなかった。だってこれエロゲだもの。
 で、各ルート入ってぶっ飛んだ設定追加されてきて超科学な内用が混じってきてちょっと引いて、主人公がグダって前に進まなくて救いの聖女が現れて一気にゴール。
 終盤の巻き込みが良かっただけに、各ヒロインがルート内でそこまで株上げてくれなかった所が実に惜しい。特に春海、特殊性癖(でしかないだろ、アレ)はそんな解決方法でええんかいって突っ込みも含めて株下がっただけだったなぁとか。妹ちゃんの扱いは最後まで悪かったしね。なんでしれっとハーレムに混じってんだアレ、判ってたけど(笑)。



 物語のSFちっくな要素はよく準備したなぁと素直に驚き。作者の知識量か、調べた作業量かは分かりませんが扱われた専門用語(らしきもの)は膨大であり、物語によく分からんリアリティを与えてくれていました。
 いや本当に、間違ってるのか合ってるのか実際に研究されてんのかどうかさっぱり分からん(笑)。地球を超火力で太陽の重力圏外へと押し出すとか自転止まる上に氷河期レベルじゃなくなるワケですけど地表の生命大丈夫なんですかとかさ。ラノベのように超理論で押し切らず、実にそれっぽい説明がなされている点は良かったですけどね。


 けどアナル調教にまったくリアリティが無かったのは解せぬ。



 主人公にそこまで惚れ込めなかったのも問題か。決断の方向性が太一と全然違ったのも含めてやっぱ違いますよ。真面目な話、こうなりたいって思える要素が一切ありませんからね。主人公はこうあるべきとか、このキャラクターはこうなんだという製作者側の強烈な意志がどーにも感じられない。あくまで物語に必要だから、ぶっちゃけ最後の場面に必要な要素だからって理由で作られた設定のキャラに感じたのがねぇ。本来あの笑顔で感動すべきなんだろうけどなー。製作者が「狙ってやりました(ドヤァ」とか言い出しそうな面倒くさい自己主張が見え隠れしてどうにも好きになれん。使われている場面は心打つ情景なのにね。
 ヒロイン達の設定もそう。サバイバル状態の舞台で生きる為に必要な知識を春海と秋桜に持たせて、舞台の根幹に関わる知識を冬音に、そしてメインヒロインをメインヒロインに設定してある。妹ちゃんは冬音シナリオの起爆剤。で、春海と秋桜が舞台設定上必要な知識からキャラクターが構築され、物語が綴られている……と、まあそんな印象を受ける。そしてAAの登場によりこの二人の扱いがサブキャラクターへと落ち、「はるまで、くるる。」の物語を語る冬音と動かす静夏だけが壇上に残る。
 サバイバル状態で好きな設定のヒロインを好きなように動かすために、天才キャラの一人でも入れておくのが繁用(乱用)されている生活基盤の獲得法なんですが、本作はそれを拒否。そしたらこうなったのかね。初期からAAの介入を挟めばもうちょっと枠組みから外れた動きを見せてくれた気がしてならない。もったいない。
(この二人の良かった所を他の感想サイトで見たら、春海が声優で秋桜がキャラデザってのが……)





 まあ、なんだ、この作品は「物語」は上質、滅茶苦茶良いです。
 ただし個々のキャラクターを掘り下げると、物語の配役以上にはなりえない。正直置物というか作り物臭い。そこに在るって感じがどうにもしない。


 
 人間も有機的なコンピューターだと言う作者の主張にかなった結果だったと、そう思って筆をおきましょうか。